3.31


■「カニバリズムの系譜」が出るまで

2児のママさんが商業出版にこぎつけるまでには
いろいろ苦労があったようです。他人事ではないので
なかなか泣けてきます。
http://penguin.oops.jp/column/backnumber118.htm
作者の日記を読むと、育児の愚痴とかごく普通の内容で、
なぜこんな人がこんな本を出したのかとかなり気になっていたの
ですが、ようやく納得できました。好きで書いたわけじゃ
なかったのね……。全く人のことは言えませんが。

                                                              • -

 強い思いで作成した企画書を提出する。得意の子育て系のエッセイは没、
ホラー系小説も没、これは困った……次は中国系、いや児童文学の小説でも
出そうかしら……と思っていると、その後出版者から出された要望は私の
想像を大きく超える物だった。

「今まで読んだ池田さんの話で面白かったのはノンフィンクションの人喰話です」
カニバイズム物ですか」

 数年前、この出版社が企画した本の中で「死体の秘密」と言うコラムを書いた事
があったが、その前にも手遊び的に人が人を喰いたいと思う心理について書いた事
があったのだけれど、どうもそれが目に止まったらしい。

 素人が本を出す場合、完全創作よりもノンフィンクションの方が受けが良く売れや
すいといった話を聞いた事がある。最終的には小説やエッセイなどを本にしたいと思
っていたけれど、まずは二冊目。手堅く売れそうな本を書く事も必要だろう。そう考
えた私は企画書を書き直して提出。無事企画を通す事ができた。

 世界各国に散らばる人喰い事例を自分なりの考察を入れて書く。正直内容的には
「出したい本」では無かったが「書けば出す」というなら話は別である。とにかく
カニバイズム本を舐めるように読み漁り、本を買う予算が無くなれば週末に国会図書館
に朝から出かけ列に並んではとにかく読んでは書いて読んでは書いた。全ページ書き上
げるのにかかった時間は二ヶ月。クリスマス前に出版社に送った原稿は現在も本になっ
てはいない。

                                                              • -

カニバリズムじゃないの???というのはどうでもいいとして。
このテーマで2ヶ月で書けるものなのか……。
ちなみにこんな本です。私は買ったのですが、売れたのかなぁ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4944098685/